守田英正がスポルティングに引き抜かれた理由。風間八宏は「相手が近寄れない技術を持っている」 (3ページ目)
もっと違いを生み出せる選手になれる
「前回紹介した南野拓実がゴールに関わり続けることで目立てる選手だとすれば、守田の場合はゲームをコントロールすることで際立てる選手。だとすれば、もっとボールを受ける回数を増やして、相手チームにとって捕まえなければいけない選手になれるかどうかですね。そうなった時には、ゲームを動かせる選手になっているはずです。
守田は狭い場所でも広い場所でも難なくプレーできる技術があり、だからこそ速いチームにも順応できる。つまり、どのチームでやってもゲームメーカーになり得る力は持っているので、より高いレベルに身を置いたほうが伸びる選手だと思います。
パスの精度で言うと、まだ長距離パスや短距離のラストパスが少し乱れてしまうところがあるので、どんな状況でも味方がコントロールしやすい位置にパスできるようになれば、もっと違いを生み出せる選手になれる。ボールの置きどころ、相手が見えていること、パスのタイミングといった部分は問題ないので、あとはいかにしてピンポイントのパスを供給できるか。わかりやすく言えば、"丸"を"点"に変えられるか、ですね」
これだけの可能性を秘めた日本人選手は多くない。それだけに、名門スポルティングの一員として、世界最高峰のチャンピオンズリーグの舞台に立つ可能性が高い今シーズンの守田は、これまで以上に大きな期待がかかる。
よりハイレベルな相手と対峙した時、どのような変化を見せるのか。サッカーファンにとって、今シーズンの守田のプレーぶりは必見だ。
守田英正
もりた・ひでまさ/1995年5月10日生まれ。大阪府高槻市出身。金光大阪高校、流通経済大学を経て、2018年に川崎フロンターレ入り。1年目からレギュラーとして活躍し、3シーズンプレーした後の2021年1月に、ポルトガルのサンタ・クララに移籍した。2022-23シーズンからは同国の名門スポルティングでプレーしている。日本代表は2018年9月にデビュー。カタールW杯アジア最終予選では、チームの主軸としてプレーしている。
風間八宏
かざま・やひろ/1961年10月16日生まれ。静岡県出身。清水市立商業(当時)、筑波大学と進み、ドイツで5シーズンプレーしたのち、帰国後はマツダSC(サンフレッチェ広島の前身)に入り、Jリーグでは1994年サントリーシリーズの優勝に中心選手として貢献した。引退後は桐蔭横浜大学、筑波大学、川崎フロンターレ、名古屋グランパスの監督を歴任。各チームで技術力にあふれたサッカーを展開する。現在はセレッソ大阪アカデミーの技術委員長を務めつつ、全国でサッカー選手指導、サッカーコーチの指導に携わっている。
◆【画像】2022-23シーズン 欧州サッカーで奮闘する日本人選手たち
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