三笘薫に期待されているのは決定力。英国人記者が分析するブライトンでの定位置争いと爆発の可能性 (2ページ目)

  • リチャード・ジョリー●文 text by Richard Jolly
  • 井川洋一●翻訳 translation by Igawa Yoichi

突破力と得点力を見せたい

 現役引退後にリーダーシップと感情知性の修士号を取得した穏やかな読書家の指揮官は、ガーナ女子代表のテクニカル・ディレクターや、ハル大学の育成マネジャー、スウェーデンのエステルスンドの監督などを経験した変わり種。

 2019年春の時点でプレミアリーグの舞台に立ったことはなかったが、前のシーズンに2部のスウォンジーでショートパスを主体とした印象的なプレースタイルのチームを築き、ブルームに引き抜かれた。

 ポッター監督は能動的かつ攻撃的なスタイルで勇敢に戦い、最初の2シーズンは15位、17位となんとか残留にこぎつけた。それでもフロントの信頼は揺るがず、迎えた昨シーズン、念願のトップハーフでのフィニッシュに成功──9位と勝ち点51、総得点42はクラブ史上最高の成績だ。

 そんなふうにかつてないほどの上昇気流に乗っているチームに、三笘が新たに加わるのだ。日本のファンにとって、新シーズンのプレミアリーグでもっとも注目したいチームのひとつになるだろう。

 現在25歳のドリブラーは、日本代表や日本で所属していた川崎フロンターレでは、左から鋭く仕掛けるウイングとして知られていたようだが、サン=ジロワーズ──このベルギー勢の筆頭株主もブルーム会長だ──では、主に左ウイングバックを務めていた。

 いずれにせよ、ブライトンのポッター監督も、昨季にローン先で活躍していた三笘を注視していた。三笘がベルギーリーグでの5試合目、セラン戦に後半から出場し、ハットトリックを遂げた時、ブライトンの指揮官は「エキサイティングな選手だ」と言って喜んでいる。

 またベルギーの日刊紙『ヘット・ニュースブラッド』に寄稿するトマ・カミ記者は、三笘について、こう綴っている。

「カオル・ミトマがボールを持てば、観衆は何かが起きると予感する。スタジアムにいる誰もが息を止めて、彼に注目するんだ。(サン=ジロワーズの)ファンは心から彼を愛している」

 そのスピーディーな突破力と重要な場面での得点力をプレミアリーグでも披露できれば、間違いなくブライトンでも、サポーターに好まれるはずだ。昨季までのブライトンの大きな課題のひとつは決定力。この日本人新戦力には、そこを改善することが求められている。

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