三笘薫が語る激動の今シーズン。日本とベルギーの違い、快進撃からの優勝争い、カタールW杯に向けた準備

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko
  • 渡辺航滋●撮影 photo by Watanabe Koji

 昨年11月、日本代表の新たな顔となったのは、代表初選出されたばかりの三笘薫だった。

 ワールドカップ・アジア最終予選の第6節オマーン戦に途中出場し、伊東純也の得点をいきなりアシスト。左サイドから高速ドリブルで相手を切り裂きチャンスを作り出す姿は爽快で、途中出場ながら森保ジャパンが新たな武器を手に入れたと感じさせた。

ベルギー1年目ですっかりチームに溶け込んだ三笘薫ベルギー1年目ですっかりチームに溶け込んだ三笘薫この記事に関連する写真を見る 昨年9月に2シーズン半所属した川崎フロンターレを離れ、プレミアリーグのブライトンに移籍。その後、ベルギー1部のロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズへ期限付き移籍で海を渡った。

 サン=ジロワーズは2部から昇格してきたばかりのチームだった。だが、全34試合で争われるレギュラーシーズンで快進撃を見せて首位に立ち、上位4チームによるプレーオフ進出を果たしている。プレーオフの結果、逆転でクラブ・ブルージュに3連覇を許したものの、サン=ジロワーズとしては大満足と言える2位を確定させて、来季ヨーロッパリーグ3次予選の出場権を獲得した。

 5月15日に行なわれたプレーオフ第5節のアンデルレヒト戦、三笘は左のウイングバックとして先発。日本代表で見せるゴールに向かうプレーとは違い、サン=ジロワーズでは5バックの一枚として、高い運動量で守備の負担もこなす。レギュラーシーズンでは5得点を記録し、このアンデルレヒト戦でも開始2分にプレーオフ2得点目を決めている。

 試合後、三笘に激動の今シーズンを振り返ってもらった。

---- 今季はどんなシーズンでしたか?

「ケガがありましたし、なかなか最初は試合に絡めなかったけど、すばらしいチームに移籍できました。まぁ、最後は優勝したかったですけど、ヨーロッパリーグへの出場を決められたので、それはひとつ収穫かなと思います」

---- 2部から上がってきたばかりで、期待値も未知数のクラブながら、リーグ優勝争いまでのぼりつめました。

「楽しいですね、やっぱり。僕もここまでくると思って移籍してなかったですけど、プレーしていてもいい選手が多かったですし、チーム全体に『できる』っていう自信もどんどんついていきました。すばらしいメンタリティを持つ選手が多く、各国代表の選手も多く競争も激しいので、それが自分自身を成長させてくれたと思います」

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