ミラン、11季ぶりVが目前。火の車の財政状態からどうして復活できたのか (3ページ目)
熱さを取り戻したミラニスタ
支出を抑えるために値段の高いトッププレーヤーを獲得するのはやめ、優秀だがまだ名の知られていない選手に目標を定めた。レオン、テオ・エルナンデス、マイク・メニャン、フィカヨ・トモリ、ピエール・カルル......。この狙いがまさに当たった。同時にスポンサーやマーケティング収入においても見直しを行なった。
いまやミランは、市場に出しても十分魅力的なチームとなった。実際に現在、バーレーンとアメリカのふたつのファンドがミラン購入に意欲を見せている。どちらもかなりの額でオファーしているが、「エリオット」には売り急ぐ理由はない。スクデットを勝ち取り、今後も勝利を重ねていけば、チームの価値はさらに大きくなるのだ。
ミラニスタたちも熱さを取り戻した。先週のサン・シーロでのアタランタ戦は満員御礼。コロナで入場者数が制限されていた時期があったにもかかわらず、今シーズンのリーグ戦、カップ戦を合わせたホームの延べ観客数は100万人を突破した。
最終節のミランはアウェー戦。サッスオーロの本拠地レッジョ・エミリアのマペイ・スタジアムは約2万のキャパしかないが、10万人がチケットを求めたという。45ユーロ(約6000円)のチケットは、ネット上で3000ユーロ(約40万円)というとんでもない高値で取引されている。
ちなみにライバル、インテリスタもまだあきらめてはいないようだ。7万人のサン・シーロでのサンプドリア戦のチケットもすべて売り切れている。
すべてが決まるセリエA最終節は5月22日。ミラン市内の数カ所にパブリックビューイングが設けられる予定だ。優勝が決まった場合、インテルの試合が終わった後のサン・シーロがミラニスタに開放され、そこでセレモニーが行なわれるはずだったが、最近のミラノは気温が高く、試合がデイゲームからナイトゲームになったため、中止となった。代わりに、ミラノの街中では深夜まで赤と黒のフラッグがふられ、ミランコールが叫ばれることとなるだろう。
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