鎌田大地、ヨーロッパリーグ決勝を前に「別にドキドキしてない」。地元では「オイロ・ダイチ」とゴールに期待 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by picture alliance/AFLO

ブンデスでは「よく盛り返した」

 今季は最大の山場となったバルセロナ戦で、紛れもない活躍を見せてチームを勝利に導いた。特にアウェーでの第2戦では、66分、イェスパー・リンドストロームの落としたボールを受けると、3人に囲まれながらもフィリップ・コスティッチにラストパスを送り、とどめの3点目をアシストした。

 ボールを持てば巧みなタッチと流れるようなドリブルで相手を切り裂き、守備では的確なポジショニングで相手の攻撃のルートをふさいだ。得点こそなかったが、前述のFR紙が「改善の余地がある」などと書いていた物足りなさはなかった。鎌田の仕事をチームの他の誰かができたようにはとても見えないのだ。

 鎌田自身は、得意とする欧州での戦い方を、バルセロナ戦もふまえたうえでこう話している。

「僕らというより、相手の戦い方が全然違う。うまいへたは別にして、これだけアグレッシブにいくのはブンデスリーガとかプレミアリーグだと思うし、スペインのチームは確かにうまいけど、そこまでインテンシティが高くないので、リーグの違いがあるのかなと思います」

 そして今季は、5月14日に終了したブンデスリーガでも32試合出場し4得点と、安定的に活躍を見せるようになった。鎌田はブンデスリーガを含めた自身の今季をこう振り返る。

「前半戦は得点がなかなかとれなくて、初得点まで時間かかりました。僕の1点目はたぶん16節くらいで(12月15日のボルシアMG戦)、そこからよく盛り返したなと。ホームで2点、本当に運のないVARで取り消されましたけど、ゴールにはすごい近づけていた感覚はあるので、よく盛り返したなと思います」

 欧州でもブンデスの試合でもオリバー・グラスナー監督の信頼を勝ちとった手応えは大きい。

 今季の最終戦となるEL決勝のレンジャース戦は11日。優勝すれば来季のチャンピオンズリーグへの出場権も手に入る。

「別にドキドキとかはしてないです。チームとしても個人としてもタイトルを獲りたい気持ちはありますけど、そこまでそういう感じではないですね。試合がきたら普通にやるって感じです。

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