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堂安律のパフォーマンスが極上すぎる。日本人初のKNVBカップ優勝にオランダメディアも「水を得た魚のよう」と絶賛

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 両チーム各々2万人のサポーターが声を枯らして応援合戦を繰り広げたなか、PSVが宿敵アヤックスを2−1で破って10年ぶり10度目のKNVBカップを獲得した。

 PSVが1回、アヤックスが2回、合わせて3回のゴール取り消し。両チーム1回ずつポストにシュートが直撃。激しいデュエルの応戦下でもキラリと光る妙技の数々......。勝負がどちらに転ぶかわからぬ白熱の展開で、ハイライトがいっぱい詰まった今回の一戦は「近年のKNVBカップ決勝戦のなかでベストゲーム」とオランダ国内で称賛された。

チームメイトとKNVBカップ優勝を喜ぶ堂安律チームメイトとKNVBカップ優勝を喜ぶ堂安律この記事に関連する写真を見る アヤックスはCLのラウンド・オブ16でベンフィカに敗れたため、KNVBカップ決勝戦まで中7日の準備期間があった。一方、PSVは欧州カンファレンスリーグの準々決勝を3日前に戦ったばかり。そのレスター・シティ戦もインテンシティの高い熾烈なものとなり、PSVは先制点を守りきれず終盤の失点で逆転負けを喫してしまった。

『アヤックスとの決勝戦を目前に、PSVにフィジカル面のハンディがあるのはもちろんのこと、もう一歩のところで欧州カンファレンスリーグ準決勝進出を逃してしまったというメンタル面のダメージが残ってしまった』

 KNVBカップ決勝前、大方がこう見立てた。しかもPSVは前半0−1でハーフタイム。休養たっぷりでこの日を迎えたアヤックスのほうが、後半はさらに有利になると思われた。

 だが、前半のアヤックスはPKをもらえるはずのプレーが流されたり、ゴールがオフサイドの判定で取り消されたりして(このVARによるゴール取り消しの判定は正当なものだった)不満を募らせ、興奮した選手たちはハーフタイム中も落ち着きがなかったらしい。

 かたやPSVは、ロジャー・シュミット監督が「後半はいける!」とポジティブなムードをロッカールーム内で作っていた。後半4分にFKからMFエリック・グティエレスが決めた同点弾、その1分後に生まれたFWコーディ・ガクポの決勝弾は、ロッカールームの雰囲気の差がピッチで現れてしまったものだ。

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