2022.04.15

長谷部誠の「立ちたい」思いが叶う。フランクフルト、バルサに劇的勝利

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 ヨーロッパリーグ(EL)準々決勝第2戦バルセロナ対フランクフルト。フランクフルトにとって、1-1で終えたホームでの第1戦の戦いぶりは決して悪いものではなかった。もしかしたら......と、サポーターに期待させる試合内容だった。それでもバルセロナは格も実力も何枚も上の相手。しかも第2戦はカンプ・ノウだ――。

 勝利の瞬間、選手たちはまるで優勝でもしたかのように、ピッチ上で喜びを爆発させた。カンプ・ノウのバックスタンド最上段はフランクフルトからのサポーターで埋まっていた。彼らの喜びの歌を、選手たちはピッチに座って聞き、踊り、喜びをわかちあうという"儀式"を行なった。

 ひと段落して、ベンチに引き上げるそぶりをみせながら、またサポーターの元に戻る。そんな子どものようなことを何度も繰り返し、なかなかピッチを立ち去らない。サポーターよりも選手のほうが喜んでいるように見えた。オリバー・グラスナー監督は「今夜ここにいることのできた誰もが、この出来事を忘れることはないだろう。こんなに感動的なハイライトは、世界中のどんなお金でだって買うことはできない」と、歴史的勝利を喜んだ。

 バルセロナ戦後、サポーターの声援に応える鎌田大地、長谷部誠らフランクフルトの選手たち バルセロナ戦後、サポーターの声援に応える鎌田大地、長谷部誠らフランクフルトの選手たち この記事に関連する写真を見る  アウェーでの挑戦者らしい戦いだった。5-4-1の守備的な布陣を採用し、統率の取れた守備で相手の攻撃を受け止めた。

 試合は開始早々の3分、イェスパー・リンドストロームが倒されて得たPKをフィリップ・コスティッチが冷静に決めるところから始まった。早すぎる先制点は相手の猛攻を呼ことにはなったが、守備が冴えていた。高い集中力を見せ、球際の一歩目のスピード感、フィジカルでバルセロナを圧倒した。

 耐え続けて、36分。カウンターでコスティッチからのラストパスをサントス・ボレが豪快に決め0-2に。相手の士気を奪った。

 後半、メンバーを替えて立て直しを図り、再び攻勢を強めるバルサの望みを絶ったのは67分。右サイドのスローインから、鎌田大地が巧みにワンタッチで左サイドに展開すると、コスティッチが強烈なミドルシュート決め、0-3とした。