鎌田大地のチームへの貢献度は欧州組随一。日本代表ではなぜ不遇なのか (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Getty Images

【日本人最多の通算ゴール記録】

 引っかけるような足さばきでコースを変えるコントロールショット。その右足の使い方は、オリンピアコスとのアウェー戦で挙げたゴールとそっくりだった。ちなみにヨーロッパリーグ通算9ゴールは、前身のUEFAカップ時代を含め、日本人選手としては最多の記録になる。

 だが、鎌田のオリンピアコス戦以降の好調ぶりは、森保監督の目に留まらなかったようだ。W杯アジア最終予選、ベトナム戦(11月11日)、オマーン戦(11月16日)で、鎌田はスタメンを外れたどころか、交代出場の機会さえ与えられなかった。森保監督の目はおよそ1カ月、ズレていた。

 ヨーロッパリーグは、チャンピオンズリーグ脱落組(グループリーグの3位チーム)が加わる決勝トーナメントを迎えると、レベルはワンランク上昇する。ブンデスリーガのスタンダードを超える相手と対戦した時、鎌田は現在の"らしさ"をどれほど発揮できるか。

 安定感では三笘薫(ユニオン・サン・ジロワーズ)より上。南野にはポジションワークで勝る。大型選手なのにステップが細かくボールさばきがうまい。ポストプレーも得意にする。サイドで相手のDFと対峙したとき、ドリブルで縦に抜くステップワークが身につけば、どこへ出しても恥ずかしくない、押しも押されもせぬチャンピオンズリーガーになれるはずだ。

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