2021.11.24

ロナウド、ファーガソン、オーナー……。マンチェスター・ユナイテッドが抱える問題を背負う次期監督はいるのか

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

 10月2日のエバートン戦でスールシャール監督がCR7をベンチスタートさせた時、翌日の見出しには、アレックス・ファーガソン元監督による「ロナウドを先発させるべきだった」と意味する発言が踊った。そのホームゲームが1-1の引き分けに終わったこともあり、聞き分けのいい前監督は以降、偉大な御大に従うように、前線の中央にロナウドを先発させ続けた。

 また同じく『ザ・ガーディアン』紙に寄稿した筋金入りのユナイテッド・ファンも、「オーレを非難すべきではない、クラブのシステムが笑えないジョークだ」と書いた。

 ユナイテッドはグレイザー家に買収されてから、「オーナーのための金稼ぎマシンと化し」、現場の監督たちは「プランとストラクチャーを欠いた」フロントの「犠牲になってきた」。「フットボールの知識を露ほども持たないエド・ウッドウォードのような銀行家が、重要な決断を下すシステムのもとで」、監督や選手は働かなければならないのだ、と。

 そんなユナイテッドを喜んで引き継ごうとする監督は少ないはずだが、次期正式監督候補には、ジダンやマウリシオ・ポチェッティーノ(現パリ・サンジェルマン監督)、エリク・テン・ハーグ(現アヤックス監督)、ルイス・エンリケ(現スペイン代表監督)、ブレンダン・ロジャーズ(現レスター監督)ら、豪華な名前が報じられている。あるいは暫定監督のキャリックが、スールシャールのように短期的にチームを浮上させれば、正式にオファーを受けることもあるのだろうか。

 いずれにせよ、21世紀のマンチェスター・ユナイテッドは、もうかつてのようにシンプルにフットボールを極めようとするクラブではない。実際、米メディア『ジ・アスレティック』によると、ウッドウォードCEOは2018年5月に、「プレーのパフォーマンスは、我々の商業面にさしたる影響を及ぼさない」と言い放っている。