PSG内での序列はいまや3位に。ネイマールが完全復活するために必要なこと (2ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 このように、ネイマールは性格的に周囲の声を無視できないところがあり、SNSなどにもすぐに反応してしまう。ESPNのパオロ・コボス記者はこう提言している。

「何年もひとりですべてを背負っていたら、精神的にも参るだろう。チッチはしばらくネイマールを休ませるべきだ。ブラジルはすでにほぼW杯出場を決めている。この後の代表戦は消化試合か親善試合だ。皆が愛そうが愛すまいが、ネイマールはブラジルのエースだ。まずはPSGでのプレーに集中させて、そこでネイマールに自信を取り戻させることが、ひいてはブラジルのためにもなるのではないか。そして、それこそブラジルがW杯でいい結果を出すことにつながるのではないか」

 ネイマールはごくシンプルな青年だ。ロジカルではなく非常にエモーショナル。その感情がプレーや行動にすぐに反映する。

「これ以上、どうしたらいいかわからない」

 ネイマールが投げかけたその問いに、私ならこう答えたい。

「その答えは約400gの球体にある。ボールは悪意を持ったりはしない。君がいいプレーをしたいと思えば、ボールはそれに応えてくれる。それだけに集中すれば、すべてはうまくいく。君より才能のない奴らは放っておけ。地面で転がるのをやめ、メディアに挑んだりせず、ボールだけを見ればいい。そうすればきっといいことが起こるだろう......」

 14日のウルグアイ戦で、ネイマールは久々にすばらしい活躍を見せた。見事なゴールとアシストでブラジルは4-1で勝利。ブラジルはまるで音楽に乗ったかのように流れるようにプレーした。そのなかでも一番すばらしかったのがネイマールだった。まるで彼だけが別次元のプレーをしているかのようだった。

 ネイマールはゴール以外にも多くのシュートを放ち、それが入っていたらブラジルは10-1で勝利していてもおかしくなかった。そうならなかったのは、6本の決定的なシュートを防いだウルグアイのGKフェルナンド・ムスレラ(ガラタサライ)のおかげである。新たにコンビを組んだ24歳のハフィーニャ(リーズ)との相性も良く、ネイマールに関しては、ここ2年で一番の出来だった。

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