2021.07.07

バルサの財政問題で足元から揺らぐリーガ。メッシもついに無所属に

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Reuters/AFLO

 世界最高峰と言われてきたリーガ・エスパニョーラの権勢が、足元から揺らいでいる。

「バルセロナのスター、リオネル・メッシが無所属に」

 その事実だけでも、リーガの新シーズンが混迷の中にあるのが伝わるだろう。

 メッシはクラブの一選手には収まらない存在だ。リーガ全体の顔であり、その去就ひとつで、リーガ全体の放映権やスポンサー収入に天地を動かすほどの影響を与える。今後、国外への移籍が決まった場合、リーガは"冬の時代"に突入することもあり得るのだ。

 来季に向け、そんなリーガの最新状況を探った。

コパ・アメリカに参加中のリオネル・メッシ。その去就に注目が集まっているコパ・アメリカに参加中のリオネル・メッシ。その去就に注目が集まっている  まず、アルゼンチンの英雄がバルサとの契約を更新できていない理由は明白だろう。

「(リーガ・エスパニョーラ会長のハビエル・)テバスには、メッシの存在意義を考慮してほしい」

 バルサのジョアン・ラポルタ会長はそう言ってリーガとの交渉に取り組んでいるが、クラブがリーガの定めた約4億ユーロ(約520億円)のサラリーキャップ(年間給与上限)を倍以上も超過していることが問題になっているのだ。バルサは有力選手の売却も視野に入れているが、あまり活躍していないだけに買い手がつかない。放漫経営が生み出した赤字は自業自得と言えよう。

 バルサは、今や"不良債権"と化したフィリペ・コウチーニョの獲得だけで180億円近くを投じ、10億円以上の年俸も払い続けている。アントワーヌ・グリーズマンも約150億円の移籍金の価値には見合っていない。そもそもスモールスペースを崩すチームスタイルに合っていない。そしてケガで稼働率の悪いウスマン・デンベレの移籍金はボーナスも含めて約200億円で、年俸は20億円×4シーズンと、合計で300億円近くを費やしてきた。

 他にも、補強は場当たり的だった。DFジュニオール・フィルポ、MFミラレム・ピャニッチ、FWマルティン・ブライスワイトのような戦力にならない選手を、獲っては処遇に困っている有様だ。こうした例は枚挙にいとまがない。
 
 新シーズンに向けて、リールのオランダ代表FWメンフィス・デパイを30億円以上もの移籍金で獲得したが、本当に必要な補強だったのか。バルサの特殊なプレーモデルにフィットするか、実力的にも微妙なところで、少なくとも時間はかかるだろう。