強すぎるフランスにポグバがいるのはズルい。小学生と大人の対戦のよう (2ページ目)
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強豪でもライン間で受けられる選手は2人いればいいほうで、イタリアなら左ウイングのロレンツォ・インシーニェ(ナポリ)とニコロ・バレッラ(インテル)が担当だった。トップ下のバレッラが右側、インシーニェが左側を受け持つ。インシーニェを左のハーフスペースへ移動させるためにボランチが落ちて(自陣方向へ下がる)、サイドバックを上げるといったメカニズムがはっきりしていた。
イングランドも似たような可変方式で、ラヒーム・スターリング(マンチェスター・シティ)を左から中へ、カルビン・フィリップス(リーズ)を右ハーフスペースの高い位置へ押し上げる。オランダは2トップの1人であるメンフィス・デパイ(リヨン)とトップ下のジョルジニオ・ワイナルドゥム(リバプール)がライン間担当だ。
ところがフランスは、一応アントワーヌ・グリーズマン(バルセロナ)がライン間担当なのだが、そのためのチームのメカニズムが明確ではない。こう言っては何だが、ほぼ成り行きでやっている感じである。個々の能力と即興で押し切っている。ただ、それが欠点になっていない。パターンが見えない分、むしろ長所と言えるかもしれない。
注目の一戦、フランスは先行してからはドイツに押されたが、ゴール前はことごとく跳ね返している。こちらもラファエル・ヴァラン(レアル・マドリード)、プレスネル・キンペンベ(パリ・サンジェルマン)の能力に負うところが大きい。さらに割り切って人垣をつくっているので隙がなく、そこまで守備に人数を投じてもエムバペへパスが通れば決定機をつくれてしまう。
ボールを持っても持たれても強いオールマイティー。ポグバはその象徴と言える。191cm、84kgの堂々たる体躯、長い足、ドリブルもパスもシュートもディフェンスも全部うまい。パワフルで速さもあり、賢さもある。すべてを備えたモンスターだ。
<相手の予想を裏切るキープ力>
まるで小学生とプレーしている大人のコーチのように見える。そして蹴られたボールが4号球のように見える。圧倒的な存在感である。
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