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イタリア代表が現代的サッカーに変貌。不可欠なMFの独特なスタイルとは (2ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by AFLO

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<ひたすらボールを受けて捌く>

 ピルロの後もレジスタが完全に消滅したわけではない。ダニエレ・デ・ロッシ(元ローマほか)、アルベルト・アクイラーニ(元ローマほか)、クラウディオ・マルキージオ(元ユベントスほか)、リカルド・モントリーボ(元フィオレンティーナほか)、マルコ・ヴェラッティ(パリ・サンジェルマン)らがいた。しかし、職人的なレジスタとなるとジョルジーニョになる。

 ジョルジーニョは15歳で祖父母の故郷であるイタリアに移住するまで、ブラジルで育っている。エラス・ヴェローナのユースチームを経てトップに昇格、14年にナポリへ移籍した。そこでの出会いが道を拓いている。

 2015-16シーズン、マウリツィオ・サッリ監督がナポリに来た。元銀行員、下部リーグのクラブを歴任し、名門ナポリの監督に就任したのが56歳という遅咲きの監督。エンポリをセリエAに昇格させた実績を買われて、ナポリに引き抜かれている。

 サッリ監督は明確にレジスタを起用した。当初はエンポリから一緒に来たミルコ・ヴァルディフィオーリに任せていたが、4戦目からジョルジーニョを抜擢。そのままジョルジーニョはレジスタでプレーしつづけ、セリエAに旋風を起こした「サッリ・ボール」(攻撃的なパスサッカー)を象徴する選手となる。

 18年にサッリがチェルシーの監督になると、ナポリからジョルジーニョを引き連れていった。エンポリからナポリへ移った時もミルコ・ヴァルディフィオーリが獲得選手第一号であり、サッリにとってレジスタは不可欠のポジションなのだ。

 サッリは1シーズンで退団し、フランク・ランパードが後任監督となった。ジョルジーニョは外されるのではないかという予想もあったが、レギュラーポジションを維持し、それは2020-21シーズン途中でトーマス・トゥヘル監督に交代しても同じだった。トゥヘルの下ではエンゴロ・カンテ(フランス)と並ぶ形でボランチを組み、チャンピオンズリーグ優勝を成し遂げている。

 ジョルジーニョの特徴は、何と言っても正確なパスだ。

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