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久保建英の前にある3本の道。スペインでも注目のこの夏の去就は? (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 松尾/アフロスポーツ●写真 photo by Matsuo/AFLO SPORT

 同じポジションで同年代のロドリゴのように、レアル・マドリードに残って出場機会を狙うのはひとつの選択だろう。ただ、クラブが補強で視野に入れる選手がキリアン・エムバペ(パリ・サンジェルマン)のような規格外の選手だと、あまりに分が悪い。ロドリゴもこの2年は限定的な活躍を見せてはいるものの、実績は乏しい。シーズンを通しての起用が望めず、バックアッパーに定着すると、やがて"期限切れのセール商品"になる。

 レアル・マドリードの次期監督はマウリシオ・ポチェッティーノ、ラウル・ゴンサレス、アントニオ・コンテのいずれかと言われるが、誰であれ、久保にとってはまだ1シーズンは研鑽を積むことが"急がば回れ"だ。

 二つ目の適性のあるボールポゼッション型クラブとしては、ベティスの名前を挙げたい。

 ベティスは伝統的にスペクタクルを好む傾向があり、ホアキン・サンチェスのようなテクニシャンの存在は象徴的だろう。バルサとの提携関係からも、クラブの志向が近いのは歴然としている。久保にラブコールを送り続ける理由も、頷けるはずだ。

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 もうひとつ急浮上しているのが、ヘタフェ残留の選択である。

 ヘタフェはボルダラスが退任し、ミチェル監督を新たに招聘している。ミチェルは1980~90年代にレアル・マドリードの背番号8、右サイドアタッカーとして名を馳せた人物。監督としてはボルダラスと違い、ポゼッションを重視し、コンビネーションを組み立て、自らがそうだったようにドリブルやクロスを許容するタイプと言える。

 つまり、久保にとって悪くない選択肢になった。

 ヘタフェはマドリード市郊外にあるため、もともとレアル・マドリードが選手を"武者修行"に行かせることが多い。定点観測にもってこい。久保もすでに半年を過ごしたたけに、チームメイトとの関係性という意味でもアドバンテージがあるはずだ。

 そして最後はマジョルカのようなクラブだが、1部に昇格したタイミングのエスパニョールは、おあつらえ向きと言える。

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