アトレティコ、レアル、バルサの三つ巴。最終局面のリーガの行方を占う

  • 高橋智行●文 text by Takahashi Tomoyuki
  • photo by Getty Images

 今季のリーガ・エスパニョーラも、残り2節となった。優勝争いは勝ち点わずか4の僅差のなか、アトレティコ・マドリード、レアル・マドリード、バルセロナの三つ巴となっている。

スペイン3強で僅差の優勝争い。有利なのはアトレティコ・マドリードだスペイン3強で僅差の優勝争い。有利なのはアトレティコ・マドリードだ 勝ち点80で首位を走るアトレティコは今季、トーマス・パーティ(ガーナ/アーセナルへ移籍)を失った一方、バルセロナから戦力外通告を受けたルイス・スアレス(ウルグアイ)を移籍金ゼロで獲得してスタートした。

 ディエゴ・シメオネ監督はリーガ開幕から10戦無敗をキープしたなか、ずっと採用してきた4-4-2から3-5-2へとシステムを変更。サモラ賞(最少失点率GK賞)ランキングトップに立つヤン・オブラク(スロベニア)を中心とした堅固な守備に、今季は高い攻撃力を加え、勝ち点を積み重ねていった。

 第14節以降は、キーラン・トリッピアー(イングランド)の10週間出場停止(賭博規定違反)や、新型コロナウイルス陽性者の続出などにより浮き沈みの激しい時期を過ごした。チャンピオンズリーグ(CL)ではラウンド16でチェルシー相手に敗退したものの、リーガでは首位の座をキープしている。

 アトレティコの今季の総得点は63で、昨季の51を大きく上回っている。その要因はやはりスアレスだ。負傷明け後のここ4試合は無得点だが、リーガ30試合(先発28試合)で19得点3アシストと十分な成績を残している。

 そして、マルコス・ジョレンテ(スペイン)がさらなる進化を遂げたことも、躍進の大きな要素となった。様々なポジションでリーガ35試合(先発31試合)に出場し12得点11アシスト。スアレスに次ぐチーム2位の得点数で、アシストランキングではイアゴ・アスパス(セルタ)と並び、リーガトップだ。

 そのほか、ヤニック・カラスコ(ベルギー)が左ウイングバックとして攻撃の起点となり、昨季まであまりスポットライトが当たらなかったFWアンヘル・コレア(アルゼンチン)やMFトマ・レマル(フランス)もすばらしいパフォーマンスで貢献してきた。

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