久保建英、ヘタフェの1部残留決める決勝弾。試合後に語った心情とは
<1部残留を決める一撃で、久保建英は英雄になれる!>
これまで久保に関する原稿でしばしば書いてきたが、リーガ・エスパニョーラ残り2試合で迎えたレバンテ戦はまさにその結実となった。
1-1と膠着した状況で、久保は74分にマルク・ククレジャに代わって出場。相手GKがミスキックしたボールを敵陣で拾うと、そのままフェイントを入れながらドリブルで運び、DFとの1対1からシュートコースを作り、左足でニア上を撃ち抜いた。
レバンテ戦の後半40分、決勝ゴールを決めた久保建英(ヘタフェ)「久保のスーパーゴールが、ヘタフェの苦しみを終わらせた!」
スペイン大手スポーツ紙『アス』は、20分に満たない出場の久保を「救世主」として称えていた。2-1の勝利の立役者で残留を確定させただけに、星も両チームトップの3つだ(0~3の4段階評価)。
スペインのアタッカーは、結局のところ、試合を決められるプレーができるかどうか。それをすることで、悪辣な評価も一瞬のうちにひっくり返る。地道なつなぎや勤勉な守備だけでは生き残れない。
久保には状況を一変させられる力量があった。そして、運をつかむ強さにも恵まれている。それはこれまでのキャリアで示してきたとおりだ。
だが、今シーズンの久保は苦しんでいる。
「今シーズンはビジャレアルでも、ヘタフェでもかなり苦しみました」
レバンテ戦後、久保本人はそうスペイン語で答えている。
「試合でピッチに立てないときでも、トレーニングは全力で、というのを続けてきました。それは監督も承知していたはずなので、昨シーズンのプレーリズムを取り戻し、さらにもっと前に進めるようにと......」
昨シーズンのスペイン1年目、いきなりマジョルカで主力として活躍したことで、評価は一気に高まった。それによりウナイ・エメリ監督が率いる中堅のビジャレアルに移籍したわけだが、指揮官と戦術的に合わず、移籍を決断した。シーズン途中での移籍は実は成功例が少なく、「ヘタフェのホセ・ボルダラス監督はエメリ以上に蹴り合うサッカーで、フィジカル的な激しさを求める」と、危惧する声も根強かった。
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