おじさん軍団レアルはどこへ向かう。このままでは時代に取り残される (2ページ目)
例えばベンゼマは今も健在。チェルシー戦ファーストレグでのシュートは値千金だった。前線のプレーメーカーとして周りを引き立てられるだけでなく、シューターとしても欧州屈指だ。ピッチに出た時の彼らは、年齢に関係ないプレーを見せている。しかし、チームは新しい血の循環を必要としているのだ。
ラモスは2021年6月末で契約が終了するが、いまだに条件面で折り合いがついていない。最近はケガが多くなっているし、スピードは目に見えて落ちた。チェルシーとの復帰戦は試合勘の欠如もあったが、何度も置き去りにされかけ、メディアからはエデン・アザールと並び「戦犯」に名指しされている。エデル・ミリトンが成長し、ナチョがバックアッパーとして申し分ないだけに、新時代を象徴するセンターバックを獲得する場合(バイエルンのダビド・アラバとの契約が内定とも言われる)、戦力外となるのは必然だ。
老練さは停滞ともなる。CL決勝に進出したマンチェスター・シティ、チェルシーは、要所にベテランを擁しながらも、大半が在籍3年以内。フィル・フォーデン(20歳)、メイソン・マウント(22歳)など、燃え立つような若さが顕著だった。
レアル・マドリードは、このままでは時代に取り残される。この停滞を引き起こした最大の戦犯であるフロレンティーノ・ペレス会長は、スーパーリーグ構想などという拝金主義に取りつかれている場合ではない。ガレス・ベイル(トッテナム・ホットスパーにレンタル移籍)、ルカ・ヨビッチ(フランクフルトにレンタル移籍)のように莫大な負債を発生させている選手を適切に売り払い、それで戦力補強を敢行し、世代交代を図るべきだ。
時代を席巻しているアーリング・ブラウト・ハーランド(ドルトムント)、キリアン・エムバペ(パリ・サンジェルマン)のどちらかを獲得できたとして、状況は一変するのか――。
行き止まりのような状況を、一番強く感じているのはジダンだろう。彼には彼のやり方しかない。チームを変化させる手っ取り早い方法は、リーダーのクビを挿げ替えることである。
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