エムバペの驚異のテクニックを大解剖。メッシ&ロナウド越えはほぼ確実 (2ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by Getty Images

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<ラストパスも出せる>

 モナコの驚異の10代も、22歳になった。パリに生まれ、クレールフォンテーヌ国立サッカー養成所からモナコでのデビューという経緯は、ティエリ・アンリと同じだ。そしてアンリと同じくエムバペにも「5メートルアドバンテージ」がある。

※ティエリ・アンリ...アーセナルやフランス代表などで活躍した、フランスサッカー界のレジェンド。プレミアリーグで4度の得点王に輝いている。

 対峙するDFの背後に5メートル以上のスペースがあれば、ほぼ勝負ありだからだ。ボールを通過させて、あとは相手を振り切るだけ。モナコでデビューしたころのアンリも速かったが、同年齢のエムバペはもっと巧みだった。コースを塞がれるとアンリは封じられていたのに、エムバペは緩急を使っていなしていた。アンリはアーセナルへ移籍してから飛躍したが、エムバペは最初から飛躍していた。

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 エムパベのバルセロナ戦の3点目は、アンリが得意としていたインサイドでファーポストへ巻いていくシュートを思い起こさせた。

 右サイドから入ってきた低いボールをダイレクトで叩いているのだが、インサイドの中央より少しツマ先寄りの部分でとらえていて、あまり強くは蹴っていない。ボールに回転を与えてゴールから外れないように、そのためにボールのスピードを少し抑えている。コースを狙った冷静なシュートだった。

 ドリブルやシュートだけでなく、ラストパスもうまい。モナコの時は点取り屋のラダメル・ファルカオ(コロンビア/現ガラタサライ)がいた。パリ・サンジェルマンではエディンソン・カバーニ(ウルグアイ/現マンチェスター・U)や、ネイマール(ブラジル)とコンビに。

 前線に先輩のゴールゲッターがいるので、何でもかんでもシュートすればいいという立場ではなく、味方が良い位置にいればパスしなければならない。自然にアシストのセンスも磨かれていったようだ。

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