2021.02.19

久保建英はヘタフェに居場所をつくれるか。武闘派指揮官も正念場

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

「光の消えたチームで、クボにはわずかな煌めき」

 レアル・ソシエダ戦に0-1で敗れた後、大手スポーツ紙『アス』は選手個別評価の記事で、そんな見出しを打っている。ヘタフェの出場選手中、単独最高の二つ星(0~3の4段階)と採点。右サイドで相手を翻弄し、左足でクロスを味方に合わせたプレーは数少ない見せ場で、「純粋なサイドアタッカーとしてプレー。1対11の勝負を求めながら、二度、好機を作り出した」と高い評価を与えた。

 久保建英(19歳)は、今も地元メディアから根強い期待を寄せられている。ボールを持って、攻めかかるときの"予感"は傑出したものだ。

 もっとも、真価を発揮しているとも言えない。久保は本当に居場所をつくれるのか?

レアル・ソシエダ戦は後半13分からの出場だった久保建英(ヘタフェ) ホセ・ボルダラス監督が率いて5年目になるヘタフェは、荒々しい戦いをトレードマークにするチームである。

 とにかく球際では激しく戦う。万が一、相手に入れ替わられたら、少々削ったり、軽く殴ったり、ユニフォームを引っ張ったり、つかみかかったり、なりふり構わず止める。全員が反則ギリギリで体を当て、敵のプレーを分断する。

 攻撃に関しては、ボールポゼッションもつなげて攻めることも念頭にない。ロングボールを蹴り込み、そこに殺到し、セットプレーやカウンターを仕留め、再び守りを固める。

「アンチ・フットボール」

 一部の人々はそう酷評するほどだ。

 ボルダラス自身、4部、3部から這い上がってきたこともあって、"喧嘩殺法"を思わせる勝負への執着を感じさせる。レアル・ソシエダ戦では、直前にボールがタッチラインを出ていたとはいえ、あろうことかドリブルする相手選手のボールを"カット"し、退場処分を食らっている。敵選手や指揮官に対して、声を荒げ、目をむくなど、戦意を隠せないタイプだ。

 必然的に、ヘタフェには闘争精神が旺盛でフィジカル的にタフ、勝負の際を好む選手が多い。ウルグアイ代表MFのマウロ・アランバリなどは典型だろう。プレー同様、戦士のような風貌だ。