久保建英と中井卓大。先にレアルのトップにたどり着くのはどっち?
「ピピ(中井卓大)とタケ(久保建英)の日本人コンビがレアル・マドリードで実現する日は来るのか? その答えはまだ誰にもわからない」
スペイン大手スポーツ紙『アス』は、意味深長な表現をしている。期待感は漂っているが、「そんなに甘い世界ではない」という厳しさも滲(にじ)む。ひとつ言えるのは、ふたりともマドリードが所有権を持った日本人選手ということだ。つまり、少なくとも夢の話ではない。
17歳でレアル・マドリード・ユースに所属するピピこと中井卓大と、19歳でヘタフェに貸し出され、今日9日(現地時間)にはレアル・マドリードと対戦する久保建英。世界に冠たるマドリードの白いユニフォームを纏い、ふたりがピッチに立つ。はたして、その日は――。
まず、マドリードの契約選手であること自体、"才能の保証書"である。
マドリードの下部組織はエリート中のエリート。マドリード・ユースは昨シーズンの欧州ユースリーグ(ユース年代のチャンピオンズリーグ)でも優勝している。カスティージャと呼ばれるセカンドチームまでたどり着いた選手は大半が、どこであれ、トップリーグでプレーする実力を持つ。厳しい目で選ばれ、激しく鍛えられた選手たちは剛直で勝負強く、引く手あまただ。
例えば、セルヒオ・レギロンはトッテナム・ホットスパー、ボルハ・マジョラルはローマ、アクラフ・ハキミはインテル、マルコス・ジョレンテはアトレティコ・マドリードなど、いずれもトップクラブで堂々とレギュラーを張っている。ラウール・デ・トマス(エスパニョール)、オスカル・ロドリゲス(セビージャ)、なども市場価値は非常に高い。
レアル・マドリードに負傷者が相次ぎ、トップチーム招集の噂も出ている中井卓大 その点、今年に入ってユースBからAに飛び級でプレーするようになった中井は、世界中から注目される逸材と言える。いわゆるセンターハーフで、トップチームでいえばトニ・クロースに近いか。プレースキッカーも任され、精度の高いボールを蹴ることができる。高度なボールキープと大胆なサイドチェンジはひとつの特長だろう。
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