柴崎岳、殻を破る絶好機到来。1部級の攻撃陣を擁して昇格狙うレガネス

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 2020-21シーズン、リーガ・エスパニョーラ2部は第17節を終えて、マジョルカ、エスパニョールが1、2位を占めている。いずれのクラブも、日本人にはなじみが深い。マジョルカはかつて大久保嘉人、家長昭博、そして昨シーズンは久保建英が在籍。エスパニョールも西澤明訓、中村俊輔がプレーしている。

 両チームは昨シーズンまで1部にいたクラブだけに、地力を発揮していると言える。

 首位のマジョルカは、1部でも好セーブを披露したGKマノーロ・レイナを擁し、失点はわずか3と堅牢さを誇る。久保に次ぐ攻撃のキーマンだったダニ・ロドリゲスも、チーム最多6得点と、気を吐いている。2位のエスパニョールは、ラウール・デ・トマスが9ゴールで得点ランキングトップ。レアル・マドリードの下部組織育ちで、そのゴールセンスは2部に収まらない。両チームは有力な昇格候補だ。

 もっとも、リーグ戦が4割程度消化した時点の順位では、トップ3の座(昇格圏。1、2位は自動昇格。3~6位はプレーオフ)はまだまだ確たるものとはならない。

好調のレガネスを中盤で支えている柴崎岳好調のレガネスを中盤で支えている柴崎岳 過去20シーズン、この時期までトップ3に入っていても、3チームすべてが昇格したことは一度もないのである。3位までのチームの昇格が0だったことが8回。昇格が1チームだったことが10回で、2チームだったことが2回となっている。ちなみに昨シーズンは、岡崎慎司を擁したウエスカのみが昇格を手にした。

 勝負は、強いストレスがかかる後半戦に決まるということか。

 昨シーズン、3位で昇格プレーオフに進出したレアル・サラゴサは、ビクトル・フェルナンデス監督のもとで攻撃的サッカーを実現させていた。

 しかし今季は監督が去り、香川真司を契約解除としたことが影響したか、開幕からまったく調子が上がらない。ルーベン・バラッハ監督を解任した後も低空飛行のままで20位に低迷。昇格どころか、2部B(実質3部)への降格も現実に迫っている。

 一昨シーズン、同じく3位で昇格プレーオフを戦ったデポルティーボ・ラ・コルーニャは昨シーズン、3人の監督が就任し、最後のフェルナンド・バスケスでようやく調子を上げたが、時すでにおそし、だった。

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