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ロナウドはポジション転職最大の成功例。ウインガーからストライカーへ (2ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by AFLO

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 マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)に移籍して、途中でゴールゲッターになっている。さらにレアル・マドリードでは、徐々にゴール前に集中するスタイルに変化していった。

<得点への特化>

 現在、ミラン(イタリア)で好調のズラタン・イブラヒモビッチ(スウェーデン)について「50歳までプレーできる」と言う人もいるそうだ。ロナウドは33歳時点のフィジカルチェックで「20歳のレベル」だったという。

 セリエAで得点王を争っているふたりの共通点は、老けない肉体とペナルティーエリア内での圧倒的な実力だ。

 不老の肉体については生まれつきもあるかもしれないが、ロナウドの徹底した自己管理とハードトレーニングはよく知られている。

 マンチェスター・ユナイテッドに移籍した18歳のころは、細身で華奢だった。シザースや引き技を連続的に組み合わせたフェイントモーションが独特の左ウイングで、スピードとキレが持ち味。得点よりもアシストの選手だった。

 ユナイテッドでのキャリアの途中から、猛烈に得点し始めている。肉体的にもどんどん強靭化していった。ただ、当時の得点パターンはペナルティーエリア外からのプレーがメインだった。

 得意としていたのは、左サイドからカットインしての右足でのシュート。ウイングとしての突破力を得点に結びつけている。当時からヘディングは強かったし、ボックス内で味方のパスを得点に変えるプレーもしていたが、まだそこに特化はしていない。ペナルティーエリアの外からプレーをスタートさせていた。

 24歳でレアル・マドリードへ移籍すると、味方の援護もあって1試合1得点を超えるペースでゴールを重ねた。ブレ球のFK、PK、ミドルシュート、ヘディングなど、あらゆるパターンでゴールしている。

 33歳でユベントスに移籍。このころにはすっかりプレースタイルが変わっていた。かつて猛威を振るったドリブルシュートはあまり使わなくなり、使っても短い距離だけ。得点のメインは、クロスボールをヘディングで仕留めるパターンだ。ボックスの外ではシンプルにボールを捌き、ゴールに近いところでチャンスを待つやり方になっている。

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