中田英寿、香川真司もプレミアの壁に苦戦。一番成功した日本人選手は? (3ページ目)

  • 津金壱郎●文 text by Tsugane Ichiro
  • photo by AFLO

 2012-13シーズンの開幕戦でプレミアリーグデビューを飾ると、第2節のフラム戦でプレミアリーグ初得点をマーク。故障で戦列を離れた時期もあったが、1年目はリーグ戦20試合6得点の成績を残し、2年目でのさらなる飛躍が期待された。

 ところが、このシーズン限りでファーガソン監督が退任すると、状況は一変。6年契約で就任したデイビッド・モイーズ監督が熱望したマルアン・フェライニやファン・マタの加入によって、MFでの香川の序列は低下。シーズン途中のモイーズ監督解任後にスタメン機会を増やしたものの、2013-14シーズンはリーグ戦18試合に出場して無得点に終わった。

 そして2014-15シーズンは、新たに就任したルイス・ファン・ハール監督の構想外になったことで、プレミアリーグ開幕後にドルトムントへの復帰が決定。香川のプレミアリーグでの挑戦は幕を下ろした。

 日本人選手で最初にプレミアリーグで成功したのは誰かと言えば、2012年から2020年1月までサウサンプトンでプレーした吉田麻也と言って異論を挟む者はいないだろう。

 日本人CBで初めてプレミアリーグに挑むと、1年目の2012-13シーズンからレギュラーポジションを掴んでリーグ戦32試合に出場し、8シーズン通算でリーグ戦通算154試合出場・6得点。プレミアリーグに確たる足跡を残した吉田は、2020年1月からセリエAのサンプドリアでプレーし、"守備の国"イタリアでも存在感を高めている。

 プレミアリーグ優勝を経験した日本人選手は、稲本(2001-02)、香川(2012-13)、岡崎慎司(2015-16)、南野(2019-20)と計4人いる。だが、主力として優勝に大きく貢献した点において、岡崎の右に出るものはいない。

 2015年6月にレスターに加入した岡崎は、1年目の2015-16シーズンはリーグ戦36試合5得点。前線から豊富な運動量によるチェイシングでチームに貢献し、クラブ創設132年目での初優勝の『影の立役者』と高く評価された。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る