CL史上これぞ「倍返し」の衝撃2試合。黄金期のミランに起きた悲劇 (3ページ目)
日本サッカー界の「天才ランキング」はこちら>>
両チームのチームカラー、そしてトルコの国旗の色も"赤"とあって、燃え盛るスタンドに囲まれたピッチでキックオフの笛が鳴った。すると、最初の攻撃でミランが右サイドでFKを得る。ここで名手ピルロが巻いたボールをゴール前に入れると、主将のマルディーニが利き足ではない右足のボレーを叩き込んだ。
早々に先行したミランはその後、カカーを中心としたカウンターが面白いように決まる。前半のうちにエルナン・クレスポ(アルゼンチン)が2点を加え、3-0でハーフタイムを迎えた。
一方、窮地に立たされたリバプールのラファエル・ベニテス監督は、後半開始時にスティーブ・フィナン(アイルランド)に代えてディートマール・ハマン(ドイツ)を投入し、システムも4-4-2から3-5-2に変更する。
これが奏功し勢いを得たリバプールは、54分に左からのクロスをスティーブン・ジェラードがヘディングで決め反撃開始。ジェラードが両手をぐるぐると回し、味方、サポーターを鼓舞する。その2分後には、ヴラディミール・シュミチェル(チェコ)が鋭いミドルで加点。
実況者が英語で「奇跡は可能だ!」と叫び、ムードは一気にリバプールに傾く。
するとその4分後には、ジェラードがジェンナーロ・ガットゥーゾ(イタリア)に倒されてPK。これをシャビ・アロンソが蹴り、一度はGKジダにはじかれたものの、こぼれ球を押し込んで試合はついに同点。リバプールは6分間で3点差を跳ね返した。
自力に勝るミランは、その後猛攻を仕掛けたが、リバプールはジミ・トラオレ(フランス)、キャラガーら守備陣が奮闘。延長後半にはGKイエジ・デュデクがシェフチェンコのヘディングと至近距離の強襲を連続で防ぎ、迎えたPK戦でもこのポーランド人守護神が活躍した。
PK戦の前に「相手を惑わすために、(1984年に欧州を制したリバプールのレジェンド)GKブルース・グロブラーの真似をするんだ」と、キャラガーから助言を受けたデュデク。そのとおり体をクネクネと動かしてキッカーを幻惑。
3 / 4