久保は主力定着、岡崎は二桁得点なるか。リーガ、カオスの中で開幕

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

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「未満のチーム」

 9月12日に開幕する新シーズンのリーガ・エスパニョーラは、そんな表現ができるチームで溢れた状況である。

 コロナ禍によって、2019-20シーズンは7月末まで行なわれていた。さらにバルセロナ、アトレティコ・マドリード、レアル・マドリード、セビージャ、ヘタフェは、8月までヨーロッパカップを戦っていた。昇格を果たしたエルチェもプレーオフを先日まで戦っている。彼らはつい最近、ようやく練習を始動したばかりだ(この6チームは開幕戦を戦わず、第2節以降からスタート)。

 移籍マーケットも変則的で、10月5日深夜まで期間が延びている。各チームは序盤戦を戦いながら、同時に補強も行なうことになる。

 先日は、レアル・マドリードがコロンビア代表MFハメス・ロドリゲスを2500万ユーロ(約29億円)でプレミアリーグ、エバートンへ移籍させると発表した。バルサはリオネル・メッシの退団騒動がひと段落し、オランダ代表メンフィス・デパイ(リヨン)、ジョルジニオ・ワイナルドゥム(リバプール)の獲得を狙う。ロナルド・クーマン新監督の陣容が見えてくるのはこれからだ。

 では、開幕前に注目すべき「未満のチーム」は――。

ウエスカを昇格させ、リーガ1部で初めて戦うことになる岡崎慎司ウエスカを昇格させ、リーガ1部で初めて戦うことになる岡崎慎司 日本人にとって注目の開幕カードは、9月13日のビジャレアル対ウエスカの"日本人対決"になる。久保建英、岡崎慎司の2人が同じピッチに立つかもしれない。

 マジョルカの主力として1シーズンを過ごした久保は、昨季5位のビジャレアルに移籍。激しいポジション争いを繰り広げるが、それは成長と高いレベルのプレーにもつながる。プレシーズンのプレーを見る限りでも、ダニエル・パレホ、ジェラール・モレノ、サムエル・チュクウェゼという各国代表クラスの選手と絡むと、プレーの広がりを感じさせた。トップ下中心に、両サイドでも出場機会を得る可能性がある。

「毎試合、いい部分を引き出し、それを次の試合でさらに改善できている」

 策士として名高いウナイ・エメリ監督も、手応えを感じている様子だ。

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