カペッロ流は「勝って何が悪い」のサッカー。娯楽性と結果、どっちが大事? (4ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by Getty Images

 だからカペッロ的なチームのサッカーが面白くないのは当然といえば当然で、サッカーの面白さ、プレーする楽しさを掘り起こし、それをファンに提供したうえで勝とうとするチームにとって、カペッロ的なチームは「勝って何が悪い」と開き直っているようにしか見えない。

 サッカーが始まった初期のイングランド流とスコットランド流の対立は、言わばサッカーの面白さをめぐる意見の相違だったが、時代はめぐり、サッカーと結果至上主義という異なる対立軸になっている。カペッロはそれを加速させた監督のひとりだろう。

ファビオ・カペッロ
Fabio Capello/1946年6月18日生まれ。イタリアのサン・カンツィアン・ディゾンツォ出身。現役時代は1960年代~70年代にMFとしてローマ、ユベントス、ミラン、イタリア代表で活躍。指導者としては91年からミランを率いて黄金時代を築くと、その後はレアル・マドリードやローマ、ユベントスなどを指揮し、いずれもチームを優勝に導いた。イングランド代表やロシア代表、中国の江蘇蘇寧でも監督を務めた

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