香川真司、昇格を逃す。プレーオフで輝くもシーズン通しての評価は? (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

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「サラゴサは、エグアラス、ラウール・グティ、そして香川がプレーにスピードとインテンシティを与えていた。エルチェを完全に圧倒し、鮮やかにゴール前に迫った」

 スペイン大手スポーツ紙『アス』はそう記述し、香川にはチーム最高の二つ星(0~3の4段階評価)を与えた。

 プレーオフにおける香川は、その経験と実力を存分に見せたと言える。

 サラゴサのサッカーは、攻撃的で魅力があった。セルタ時代、ヨハン・クライフからも絶賛された攻撃サッカーを実現させたビクトル・フェルナンデスは、かつてパブロ・アイマール、アレキサンダー・モストボイというファンタジスタを輝かせている。今回も、ボールプレーヤーたちを擁し、その力を引き出していた。

 香川が、そのチームでスペクタクルを見せたのは間違いない。

 しかし、シーズンを通した香川のプレーに関しては、賛否が分かれる。序盤戦の活躍はカリスマ的だったが、その後は断続的なケガもあって低迷。後半戦は、エスパニョールから獲得したハビエル・プアド(プレーオフは、新型コロナ感染のため欠場)に攻撃の主役の座を奪われた。リーグ戦は31試合に出場したが、先発は23試合と、波が激しかった。

 香川とサラゴサの契約は2年で、2021年6月末まで残っている。しかし、ビクトル・フェルナンデス監督は今シーズン限りでクラブを去ることが決定的。香川も残留の可能性がないわけではないが、移籍が視野に入っている。その年俸はチームで2番目に高給で、今年1月、財政難に苦しむサラゴサはMLSリーグのクラブとの交渉があったことを認めた(香川本人がリーガでのプレーを熱望したために不成立)。

 今後は、スペイン国内の1部、2部のクラブだけでなく、欧州やMLS、さらにはスペイン人監督ミゲル・アンヘル・ロティーナが率いる古巣セレッソ大阪への復帰も可能性のひとつになるだろう。

 ちなみにプレーオフ決勝は、8月20、23日。アルメリアを下したジローナと、エルチェの戦いになる。

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