2020.08.04

CLではベスト16が限界でも、
欧州一のサッカータウンはここだ

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 赤木真二●写真 photo by Akagi Shinji

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アイブロックス(グラスゴー)

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 ベニート・ビジャマリンの回でも述べたが、グラスゴーはセビージャ同様、人口に対して「座席数」の割合が高い街だ。

 セルティックのホーム、セルティック・パークの収容人員は約6万人。ナショナルスタジアムであるハムデンパークは約5万2000人。そしてレンジャーズのホーム、アイブロックスは5万817人だ。

 座席総数は約16万3000。グラスゴーの人口は約63万人なので、人口に対して座席数が占める割合は約26%となる。セビージャ(約25%)を、ほんの僅かではあるが上回る。観戦環境に世界で最も優れた街――とは筆者の印象だ。

 そしてそのうちの2つが、UEFAから、最上級を意味するカテゴリー4の認定を受けている。アイブロックスとハムデンパーク。ロンドン、ロシア、バルセロナ、マドリード、イスタンブール、リスボンなど、カテゴリー4のスタジアムを2つ持つ都市は他にもあるが、人口100万人以下の都市に限るならば、グラスゴーの他にはリスボンだけだ(セビージャにある4つ星はオリンピコだけ)。

 セルティックかレンジャーズか。スタジアムで優劣を競うなら、筆者の印象でもUEFAの評価と同様、アイブロックスが上になる。収容人員ではセルティック・パークに約1万人劣るが、それを圧してあまりある魅力がある。

レンジャーズ(スコットランド)の本拠地、アイブロックス まずアクセスがいい。グラスゴーは街の中心地を環状で走る地下鉄が一番の交通機関になる。山手線の3分の1程度の規模ではないかと推測するが、アイブロックスはスタジアムと同名の駅から徒歩数分の距離にある。街の中心地から、30分も費やさずにスタジアムに到着することができるのだ。

 見た目にも優れている。煉瓦を積み上げたような外装。その赤茶色の中にチームカラーである青を差し色として施したそのデザイン性が光る。青とひと口にいっても種類は無限だ。青は赤より、ともするとパンチに欠けるが、レンジャーズの青には華を感じる。スコットランドのどこか荒涼とした空気感とマッチする魅力的な青だ。