2020.07.17

マジョルカ降格も、久保建英は
10代ルーキーとしてほぼ満点だ

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by AFLO

「マジョルカは2部のチームに」

 マジョルカの地元紙『ディアリオ・デ・マジョルカ』の見出しは、簡潔なだけに、そこはかとない切なさが伝わってくる。

 7月16日、リーガ・エスパニョーラ第37節。19位のマジョルカは、本拠地ソン・モイスで10位のグラナダを迎え撃っている。クチョ・エルナンデスのゴールで先制したものの、決定機を逃し、2点を返されて逆転負けした。これで、最終節を残しての2部降格が決まった。

 昨シーズン、マジョルカは2部から昇格プレーオフを勝ち抜いて、歓喜の1部復帰を果たしている。しかし、たった1年での悲しい逆戻りになった。地元ではその経済的ダメージも大きい。ひとつの夢の終わりと言えるだろう。

「ビセンテ・モレーノ監督は来季、マジョルカを去る。エスパニョールの次期監督が有力だろう」

 そんなニュースがグラナダ戦前に流れたことは、結束や士気を弱めたと言えるかもしれない。

 しかしそもそもマジョルカは、2年前まで2部B(実質3部)に所属していた。ビセンテ・モレーノ監督が率い、限られた戦力を結集させ、どうにか1部で戦うまでになったが、経営難で満足な補強もできず、当初から限界はあった。予算的にも1部最下位だけに、降格は驚くに値しない。

1-2で敗れたグラナダ戦にフル出場した久保建英(マジョルカ) その非力なチームの中、シーズンをとおして久保建英の存在感は光っていた。
 
 グラナダ戦でも、久保はそのセンスの違いを随所に示している。

 ボールを呼び込んで、シュートを枠内に打てる。単純だが、その点で抜きん出ている。息を吸って吐くようにやってのけられる。

 前半13分、左から展開されたボールを、久保は右で受ける。ディフェンスと対峙しながら、小刻みに動いてコースを見つける。そして抜き切る前に左足でニアに打ち込んだが、これはGKにキャッチされた。

 28分、右CKの崩れ。ゴールほぼ正面でボールを拾うと、完璧にコントロールした。左足で合間を縫うようなシュートを狙うが、GKの正面だった。

 42分には左サイドからのクロスに反応。久保はインサイドに入り、ボックス内のバックラインの前にボールを呼び込む。左足を振ったが、ディフェンスにブロックされた。