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マジョルカ降格も、久保建英は
10代ルーキーとしてほぼ満点だ (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by AFLO

 51分にもコンビネーションからシュート機会を作った。クチョとのワンツーでゴール正面へ。左足を鋭く振ったが、相手にブロックされた。

 64分、中に入ってサイドバックを上がらせ、ボールを展開させる。そしてゴールやや右で強いパスを受け、左足に"弾を込める"。相手をガードし、左足でファーに"発射"したが、わずかに左へ逸れた。

 久保の土台は、精度の高いボールコントロールとキックにある。それによって、常に相手をリード。彼はそれを自らのシュートだけでなく、プレーメイクにも使える。

「Mira Take!」(タケを見ろ!)

 後半、ベンチから大きな声が飛んでいる。久保への信頼の証左だろう。彼を経由することで、ボールが収まり、攻撃の道筋をつけられる。彼がボールを触るたび、チームメイトのシュートにつながっている印象なのだ。

 62分だった。左からのサイドチェンジ、久保は左足で完璧にトラップし、滑らかに前を向いた。一流選手は難しいことを簡単にやってのける。そこで右サイドで優位なサイドバックにボールを入れ、そのクロスが決定機につながった。

 しかし、マジョルカはチャンスを作り出しても、決められない。

 チーム最多得点のアンテ・ブディミルも、他の1部のチームならFWの二番手扱いだろう。中盤も、サルバ・セビージャは老練な駆け引きを見せたが、ボールを握り、プレー全体をコントロールできる選手が見当たらなかった。

 守備も奮闘したが、強固とは言えない。ゾーンの守り方ひとつとっても、個人の守備力の低さで容易に間に入られ、フリーでシュートを打たれていた。シーズンを通じてGKマノーロ・レイナは好セーブを見せてきたが、守備の負担が大きかった。特に左サイドバックは弱点になっていた。

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