今季12得点のDF。闘将セルヒオ・ラモスの影響力はピッチ外でもデカい (3ページ目)

  • 高橋智行●文 text by Takahashi Tomoyuki
  • photo by AFLO

 しかし試合後、「PKは宝くじのようなもの。今日は僕たちの日ではなかっただけだ。何も非難してはいけないし、顔を上げる必要がある」と語り、「もう一度蹴りたい。PKは大変なプレッシャーだけど、僕にはその重圧に耐える術がある」と、敗北してなお不屈の精神力を備える彼らしいコメントを残していた。

 セルヒオ・ラモスはコロナ禍においても重要な役割を果たしている。クラブが財政面にダメージを受けた際には、クラブ職員が給与全額を受け取れるようクラブと交渉し、選手たちの給与カットを自主的に受け入れる流れを築いた。

 そして、レアルのキャプテンという立場から、世界でもとくに感染者の多いマドリード市民に自宅待機を呼びかける広報役を担い、さらにユニセフ親善大使として医療品を病院に援助する活動も行なっている。

 ピッチ内外で大きな影響力を持つセルヒオ・ラモスのレアルとの契約期間は、2021年6月30日まで。あと1年を切っているが、すでに1年間の延長で合意に達していると言われている。

 しかしそう遠くない将来、セルヒオ・ラモスがチームを去る日が必ずやって来る。その時、不屈の精神力を備える"闘将"がピッチにいない現実に、マドリディスタは寂しさと物足りなさを感じることになるだろう。

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