2020.06.03

久保建英=チーム戦術。マジョルカでは
すでにエースで別格の存在だ

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 プレーに関して、マジョルカではもはや"適応"を越えている。久保自身イコール戦術に近い。彼がチームの主人としてプレーをけん引している。

 今年3月、エイバル戦の3点目は顕著だった。77分、久保は自陣から敵陣に強引なドリブルで切り込み、3人のディフェンスを前にしても怯んでいない。これは止められたが、再び味方が奪い、つながったボールを再び受けると、2人に立ちふさがれるも、今度は回りこむ味方を囮に、利き足ではない右足を振り切り、鮮やかなシュートを決めた。

 久保の気迫と剛胆さが波状攻撃を生み、自らの一振りで敵の息の根を止めたのだ。

 1部クラブで日本人が主力になることは、容易なことではない。そもそも、過去に確実にその域に達したのは乾貴士(エイバル)のみ。それを18歳でやってのけるとは、末恐ろしい。

 マジョルカは2年前まで2部B(実質3部)にいたチーム。戦力的にはリーグ最弱と言える。守備を重視した戦い方で1部に引き上げたビセンテ・モレーノ監督には、古参メンバーへの配慮もあったはずだ。