塩谷司が生活するコロナ禍のUAE。
日本とは違う「さまざまな規制がある」 (6ページ目)
立ち上げたばかりということで、まだスクール生はそれほど多くないというが、コロナ禍で行なったオンラインによる交流では、子どもたちのうれしそうな顔を見て、自分が起こした行動が力になっていることを実感できた。
「本来なら6月には日本に帰って、子どもたちと一緒にサッカーをする予定だったんですけどね。一緒にボールを蹴ることはできないですけど、今は毎週のようにオンラインで交流している。子どもたちみんなの顔を見ながら一緒にトレーニングをして、いろいろな話をする機会もできて、コロナ禍で大変ではありますけど、いいこともあったのかなって、前向きに考えています」
塩谷が生まれ育った故郷や長く住んだ土地に感謝を示すのには、理由がある。彼はこれまで歩んできた人たちによって、背中を押され、人生を導いてもらってきたからだ。
近況を聞き終えて話題を変えると、画面越しでもわかるくらい表情を変えた塩谷は語り出した。
「俺、大学を途中でやめて就職しようと思っていたんですよね......」
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