乾貴士がリーガで成功の金字塔。バスクの土地と人が味方になった (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

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 乾がスペインで成功した理由のひとつは、卓抜とした技術にあるだろう。ボールを持ってゴールに迫るとき、彼はしばしば神がかる。

「ドリブルで向かってくる乾は、うまいというよりも怖い。ボールを触るたび、ゴールにつながっている気がして」

 Jリーグの複数のディフェンダーがそんな感想を口にしていたが、そのドリブルは凄みを帯びる。ボール技術を極めた乾は、その自信をベースにして、得点も狙える。2017年のバルサ戦では2得点を放り込み、カンプ・ノウを沈黙させた。リーガ1部在籍5シーズン目で合計14得点は、日本人歴代最多ゴールだ。

 しかし才能だけで言えば、乾に匹敵する選手もいた。また、多くの選手が苦しんできたコミュニケーションの部分を、乾がクリアしていたわけではない(少なくとも、2年目まではスペイン語を習得したと言えるレベルではなかった)。

 では、なぜ彼は成功をつかめたのか。率直に言って、乾は運に恵まれていた。

 エイバルのホセ・ルイス・メンディリバル監督は、規律と闘争を重んじる人物だ。バスク人指揮官は、乾の技術と献身性を正当に評価した。"日本人"という色眼鏡で見なかった。

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