バロンドール史上最大のミス。2010年はスナイデルが受賞すべきだった (2ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by AFLO

 ビジョンも特別。瞬時に敵味方の動きを見逃さず、ジャストなタイミングで最適のパスを繰り出せる。スナイデルがいなければ成立しない攻撃は、オランダ代表や当時所属していたインテルで数多く見受けられた。鋭い振りから放たれるシュートも正確かつ威力があり、多くの得点もゲットしている。

 2009-10シーズンは、インテルの3冠 (セリエA、コッパ・イタリア、CL)に大きく貢献。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)では、準決勝でバルセロナを破り、決勝ではバイエルンを制して優勝している。

 2010年の夏には、南アフリカW杯が行なわれている。優勝はスペインだったので、イニエスタとシャビが支持されていたのは理解できる。準優勝はオランダ、スナイデルは10番として活躍し、大会5得点はダビド・ビジャ(スペイン)、トーマス・ミュラー(ドイツ)、ディエゴ・フォルラン(ウルグアイ)と並ぶ最多だった。

 2009-10はスナイデルのベストシーズンだった。

 W杯とCLで最も活躍したスナイデルがバロンドールで4位という結果は、当時も疑問視されていて、UEFA会長だったミシェル・プラティニは2011年から記者投票によるUEFA欧州最優秀選手賞を立ち上げた。

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