南野拓実ら技巧派アタッカーをプレッシング戦術にどう落とし込む? (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Getty Images

 4-2-3-1が台頭すると、デル・ピエロ系の選手は、1トップ下(「3」の真ん中)が定位置となった。ゲームメーカーの枠を超えた、技巧をより高い位置で瞬間的に発揮する、アタッカー色の強い選手へと脱皮が求められることになった。

 4-3-3のインサイドハーフも、彼らには適した場所だった。一時期のバルセロナにたとえるならば、デコ、シャビ・エルナンデス、アンドレス・イニエスタが、そこで活躍した。そのバルサの影響で4-3-3は世界に浸透していくことになるが、そのインサイドハーフの役割は年々、技巧的でなくなっている。よりフィジカル的な要素を強めている。

 その代表が現在のリバプールだ。そして、そのCL2連覇を阻止する決定的なゴールに関与したジョアン・フェリックスがプレーした場所は「1トップ脇」だった。デル・ピエロが辿り着いたポジションである。

 技巧をより高い位置で瞬間的に発揮する、ゲームメーカー的な色彩を備えたアタッカーだ。

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