塀の中のロナウジーニョの様子。ブラジルとパラグアイの国際問題に発展 (5ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 パラグアイの情報筋によると、最初の数日、ロナウジーニョは非常にフレンドリーだったようで、ほかの服役者のサインの求めにも気軽に応じていたという。だが、数日前からその様子が変わり、あまり部屋から出てこなくなったそうだ。

「彼はかなり落ち込んでいるようだ。2日もすれば釈放されると信じていたようだが、パラグアイの裁判所はそれを許さず、へたをすれば取り調べの続く半年間、勾留される可能性もある」

 彼らが勾留されている刑務所長のサンティアゴ・クエンカは、ロナウジーニョのこうした精神状態の変化を心配している。

「我々は彼らのもとにカウンセラーも送った。彼らは重要な参考人でもあるので、できるだけ心身が健康であるよう心掛けている」

 刑務所では、刑務官と囚人が一緒になったいくつかのチームが作られ、フットサルのトーナメントが行なわれている。ロナウジーニョはこの試合に出るよう誘われ、最初は丁重に断っていたが、最近では参加することを承諾したと言われている。パリ・サンジェルマン、バルサ、ミラン、フラメンゴでプレーした選手の"パス"を今、囚人たちのチームが待ち望んでいる。

 ロナウジーニョには息子がひとりいる。この3月8日に15歳になったが、ロナウジーニョはそれを祝うことができなかった。それどころか、自身の40歳の誕生日(3月21日)も、拘置所内で迎えることになりそうだ。

5 / 5

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る