リーガも無観客試合に。誰もいないカンプノウで聞いた音に感じたこと (3ページ目)

  • 中島大介●文 text by Nakashima Daisuke

 スペイン国内でも感染者が徐々に増加していることもあり、3月3日、10日のCL バレンシア対アタランタ戦と、19日のEL ヘタフェ対インテル戦が、無観客試合となることが決定された。

 バレンシア対アタランタ戦前日の9日の報道では、メスタージャスタジアムに入ることができるのは、選手、クラブスタッフを含め250人以下とすることが、クラブとUEFAにより取り決められた。報道陣も規制され、自分のような外国人フリーランスフォトグラファーの入り込む余地はまったくなかった。

 そして10日の昼過ぎ、リーガ1部、2部の全試合の無観客開催が決定された。

 かつて一度だけ、無観客試合の撮影をしたことがある。2017年10月1日、カンプノウで行なわれたバルサ対ラス・パルマス戦だ。

 加熱したカタルーニャ独立運動の余波により、一切の観客を入れないことが、当日のキックオフ数時間前に決定した。スタジアムの外にはすでにたくさんの観客が集まっていた。

 カンプノウは約10万人のキャパを誇り、リオネル・メッシは今より2歳若く、まだアンドレス・イニエスタもいた。そこには今より魅力的なバルサのサッカーがあった。そんなバルサを見るために世界中から集まったファンが、スタジアムに入れない姿を見るのは悲しかった。

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