データ上、クルトワはリアルSGGK。しかし数字は、ときに嘘をつく (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

 バルサはそもそも攻撃している時間帯が長い。高いラインで攻めることで、どうしてもカウンターを受けやすくなる。フリーで角度もあるシュートに晒される機会が多くなるのだ。これが、テア・シュテーゲンの数字が低いからくりか。

 ナポリ戦はその最たる例だった。前半30分の失点シーン。ジュニオール・フィルポが自陣でボールを失い、そのまま裏返しにされる。ゴール正面でボールを受けたドリース・メルテンスは、フリーで狙いすまして蹴り込んでいる。エリアのわずか外からだったが、GKとしてはノーチャンスだった。

 数字は、ときに嘘をつく。

 今シーズン、不調が伝えられるスペイン代表GKケパ・アリサバラガ(チェルシー)は、数字にも現状が如実に出ている。エリア外からのセービング率は70%、エリア内に関しては50%。トップレベルのGKとしては及第点とは言えない。

 しかし失点の多さは、チームとしての守備整備にも理由がある。事実、CL決勝トーナメント1回戦のバイエルン戦では、ホームにもかかわらず大量3失点。ケパに代わって出場したアルゼンチン代表GKウィルフレード・カバジェロは手も足も出なかった。

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