柴崎岳を目覚めさせた名将の手腕。変貌したデポル、降格圏を脱出 (2ページ目)
そして2部で迎えた今シーズンは、開幕から末期的な低迷を見せていた。ここまで2人の監督のクビが飛んだ。最下位まで落ち込み、2部B(実質3部)への降格も現実的になっていた。
しかし、今年1月から3人目の監督であるフェルナンド・バスケス(65歳)がチームを率いるようになると破竹のリーグ戦4連勝。前節、アルバセテにアウェーで0-1と勝利したことで降格圏から抜け出し、17位(22チーム中)に順位を上げた。
「選手には、『順位はあまり気にするな』と伝えている。毎試合、決勝戦のように戦うだけだ」
バスケス監督はそう言う。流転するクラブを、指揮官は復活させられるのか。
ガリシア出身のバスケスは、サッカー選手としてのキャリアはない。監督として、ガリシア地域リーグのチームを、4部、3部と引き上げ、その指導が注目されることになった。90年代には、ガリシアの小さなクラブであるコンポステーラを率い、レアル・マドリードやバルセロナと渡り合い、前半戦を終わって2位で折り返したこともあった。その後も、オビエド、マジョルカ、ベティス、ラス・パルマスと数々のクラブで成果をあげている。
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