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レバンドフスキはバロンドールに値する。ポーランドの名手の系譜

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji
  • photo by Getty Images

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サッカースターの技術・戦術解剖
第39回 ロベルト・レバンドフスキ

<FIFA年間最優秀選手賞>

 2020年のFIFA年間最優秀選手賞を受賞したロベルト・レバンドフスキ(バイエルン)。UEFA年間最優秀選手賞も受賞している。現在、ヨーロッパのメジャーな個人賞は3つあり、もう1つのバロンドールは2020年の表彰を行なわなかったが、もし実施していればレバンドフスキが受賞していただろう。

今年の欧州の個人賞を2つ獲得したレバンドフスキ今年の欧州の個人賞を2つ獲得したレバンドフスキ 公式戦47試合で55ゴールは圧倒的で、バイエルンはありとあらゆるタイトルを独占している。2019-20シーズンのブンデスリーガ、DFBポカール、DFLスーパーカップ、UEFAスーパーカップ、そしてUEFAチャンピオンズリーグ(CL)。これでMVPを受賞できなかったらどうかしている。

 チームメイトのトーマス・ミュラーやチアゴ・アルカンタラ(現リバプール)にも可能性はあったかもしれないが、チームを代表してひとりとなるとやはりレバンドフスキだろう。

 センターフォワードとしてパーフェクトだ。右足でも左足でも、頭でも得点できる。ドリブルシュート、クロスボールからのシュート、FK、PK......アシストも10と味方を生かすのもうまく、スペースへ抜け出すのもポストプレーもすばらしい。

 さらに守備での貢献度も高く、練習態度は真面目そのもの、メディア対応もそつがなく、社会貢献にも熱心と、まさに非の打ちどころがない。

 父親はポーランドの柔道チャンピオンで、サッカーも2部リーグでプレーしていたというスポーツ万能。さらに母親はバレーボール選手。おまけに妻は空手の世界大会で3位の実力者。ただ、キャリアのスタート時点では少し不運なところもあったようだ。

 2部リーグで得点を量産して、1部のレフ・ポズナンへ移籍。そこでも順調にゴールを重ねていたが、スペインのヒホンへの移籍は直前に断られ、ブラックバーン(イングランド)、ジェノア(イタリア)への移籍も財政事情の突然の悪化や会長辞任で流れている。ようやく決まったのがドイツのドルトムントだった。

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