2019.10.30

植田直通はダントツ最下位でもポジティブ
「神様が試練を与えてくれた」

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 今から2カ月前のことだ。

 8月24日、セルクル・ブルージュはホームでワースラント・ベフェレンを1-0で倒し、開幕からの連敗をようやく「4」でストップさせた。

 セルクル・ブルージュのセンターバックを務める植田直通にとって、「1-0」のスコアによる勝利は格別なものだったと言う。なぜならば、それまでチームは4試合で11失点も喫していたからだ。

昨季王者ゲンク相手に植田直道は善戦した「僕のなかでは前半はまったく(守備が)ハマってなかったので、味方に『こうやりたい』というのを伝えたら、後半はそれがうまくハマった。セカンドボールもきっちり拾えていたし、相手のカウンターも抑えることができた。後半は自分たちが思うようなサッカーができていたのかなと思います」(ワースラント・ベフェレン戦後の植田)

 しかし、次のゲント戦では再び守備が乱れ、セルクル・ブルージュは2-3で負けてしまう。すると、植田は3試合続けて出場機会を失ってしまった。10月5日、第10節のズルテ・ワレヘム戦で先発復帰を果たしたが、またも守備が崩壊して0-6と惨敗。チームを率いていたフランス人指導者のファビアン・メルカダル監督は、ついに更迭となってしまった。

 開幕10試合で1勝9敗――。どん底のセルクル・ブルージュを救うべく、新たな監督が招聘された。ユーロ2016でハンガリー代表をベスト16に導いた、ドイツ人指揮官のベルント・シュトルクだ。

 シュトルクは2018年9月、リーグ戦6連敗中だったムスクロンの監督に招聘され、「レギュラーシーズン後半戦ではベルギー最強かもしれない」と称されるほど、一気にチームを蘇らせた。最終的には10位でフィニッシュ。そんな過去の実績があるだけに、セルクル・ブルージュでのシュトルクの手腕にも注目が集まった。

 しかし、いくら名将であっても、すぐさまチームに魔法をかけることは難しいのかもしれない。シュトルク体制の初戦となった10月20日のシャルルロワ戦は0-3。そして10月26日のゲンク戦でも、開始8分で失点を喫してしまう。