吉田麻也も刺激。ラグビー日本代表から「学ぶべきことがたくさんある」 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 そんな向上心の塊である吉田が最近、熱心に見ているのがラグビーワールドカップだ。予選プール最終日のスコットランド代表戦は、アジア2次予選・タジキスタン戦に向けての練習でハイライトしか見られなかったが、それ以外はラグビー日本代表の戦いぶりを生中継で見守っているという。

 イギリスと日本の時差は現在8時間。日本代表対アイルランド代表戦が行なわれた9月28日は、ちょうど吉田も対トッテナム・ホットスパー戦が控えていたが、イギリス時間の朝8時にはテレビの前にスタンバイして声援を送った。ハーフタイムになったタイミングに合わせて、急いで朝食をとったというほどの熱の入れようだ。

 そんな吉田に聞いてみた。「屈強なボディを持つ外国人選手に立ち向かうラグビー日本代表の選手は、プレミアリーグのCBとして戦う吉田と重なるのではないか」と。吉田も、190cm強の長身FWたちと毎試合、フィジカルバトルでしのぎを削っているからだ。「ラグビー日本代表の戦いをどのように見ているか」と尋ねると、次のように答えた。

「(ラグビー日本代表は)どう考えても体格で劣っているじゃないですか。だから、体格の差を『数』でカバーしたりしているのは、サッカーの日本代表も学ぶべきことがたくさんあると思う。競技は違うけど、ゲームの入り方や、ゲームのマネジメントの仕方など本当に似ているなと。(ラグビーは)一回、一回、途切れる分、より綿密にゲームマネジメントできるとは思いますけど、見ていて勉強になります。

 ロシア戦は入り方が悪くて、どんな試合、どんな大会でも、入り方は大事なんだなと感じた。逆に、アイルランド戦みたいに大きなことを成し遂げるためには、全員が力を出し切ってやれば不可能ではないということも学ばせてもらった。大きな刺激を受けていると同時に、たくさん勉強させてもらっています。感謝ですね」

 吉田に話を聞いたのは、日本対南アフリカ戦が行なわれた試合前日。その翌日、ラグビー日本代表は南アフリカ代表に敗れ、準々決勝で涙を飲んだ。「試合を見ます」と語っていた吉田も、大きく肩を落としているに違いない。

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