イングランド代表、開幕3連勝でもダメ出しの声があるのはなぜ? (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 しかも、ベスト4まで勝ち進んだ2018年のW杯ロシア大会も、対戦相手に恵まれた印象は拭えない。準決勝で対峙した強豪クロアチアとの一戦は、スコアは1-2ながらも内容的には完敗だった。

 加えて、今年6月に行なわれたネーションズリーグ準決勝でオランダに1-3と完敗したことも、こうした懸念に拍車をかけている。格下には力技でねじ伏せられるが、強豪相手になると途端に力を発揮できなくなるのが、イングランドの継続課題である。

 そのため、英BBC放送のマクナルティ記者は「予選で無敗を続けていることに感銘を覚える」と強調しながらも、「先発はいつも同じ顔ぶればかり。若手に先発の機会をもっと与えるべき。今回の予選でポテンシャルの大きい若手に経験を積ませ、チームとしての練度を高めたほうがよい」と訴える。ブルガリア戦についても、同記者は中盤とSBの人選に疑問を呈していた。

 9月10日に行なわれる次戦のコソボ戦をどのようなセレクションで臨むか。FIFAランク120位のコソボは好調で、グループAで2勝2分の2位につける。

 ブルガリア戦では、CFのケインと左FWのマーカス・ラッシュフォード、右FWのスターリングで3トップを編成した。この3トップは「速さ」と「破壊力」を兼備しており、今後に期待を抱かせた。しかし、彼らにパスを供給する中盤の構成力が課題だった。伸び悩みが目立つバークリーの代わりに、昨シーズンのプレミアでリーグ最多のチャンス創出数を叩き出したマディソンの起用は理にかなっていると思うが、果たして──。

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