武藤嘉紀に生まれた一瞬の迷い。現状を変える決定的チャンスを逃す (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 この試合で得点を決めていれば序列や起用法が大きく変わっていたと、武藤もそう認識していたのだろう。試合後の取材エリアでは、いつもより口数が少なく、表情にも悔しさが見てとれた。目の前に転がり込んだチャンスをその手で掴みきれなかったことに、落胆しているように映った。

 しかし、口惜しい気持ちでいても、壁は乗り越えられない。

 ここから、プレミアリーグは国際マッチウィークに突入し、一旦中断する。日本代表から招集がかからなかった武藤は、ニューカッスルで調整を続けていくことになるが、開幕前のキャンプからハードスケジュールが続いたため、休養をしっかり取ることも大事だと話した。

「ニューカッスルを離れないということで、まずは身体をしっかり休める。あとはリフレッシュして。プレミアリーグはほんとに長い戦いになるので、ここでしっかり休みたい。そして、もう一回、いいコンディションに持っていければと思っています」

 国際マッチウィークが終わると、故障中のアンディ・キャロルとドワイト・ゲイルのふたりのストライカーが戦列に復帰する見通しだ。FWの枚数が増え、ポジション争いはさらに激化するだろう。武藤も「熾烈な戦いがある。ほんと気を引き締めないといけない」と、さらなる奮起を誓っていた。

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