2019.07.20

ボローニャ・冨安健洋の現地での評判を
番記者がレポート「興味津々」

  • マッテオ・ダッラ・ヴィーテ●文 text by Matteo Dalla Vite/Gazzetta dello Sports
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 冨安健洋のボローニャでの初練習は笑顔に包まれていた。チームは7月11日から、アルプスに近いカステルロットでサマーキャンプを行なっているが、冨安は少し遅れて16日に合流。練習前には自己紹介代わりにダンスを披露し、チームメイトとの距離を一気に縮めた。

 夏休みとあって、多くのちびっこサポーターも練習を見に来ていたが、冨安は笑顔で気軽にサインやセルフィー、ハグに応じ、まずはサポーターのハートもがっちりとつかんだようだ。冨安獲得の際は、ビデオゲーム風のアニメを制作して彼の加入を歓迎したボローニャの公式サイトは、今回もこの様子を動画で紹介した。

 ボローニャは100年以上の歴史を持つ伝統あるチームだ。スクデットも7回勝ち取り、過去にはロベルト・バッジョや現イタリア代表監督のロベルト・マンチーニをはじめ、有名選手も多数所属していた。

 そんなボローニャが冨安に注目をし始めたのは、今から約9カ月前のことだった。興味深い日本人選手がいるというスカウトの報告を受けたヘッド・スカウトのマルコ・ディ・ヴァイオは、彼のプレーを見に行き、すぐに気に入った。11月にはシント・トロイデンと交渉を始めるが、その間にディ・ヴァイオは4度も冨安を見にベルギーまで足を運んでいる。チームと交渉すると同時に、冨安を口説きにかかり、冨安自身が「SI(イエス)」と答えた7月まで、それは続いた。

シント・トロイデンからボローニャに移籍した冨安健洋 photo by Getty Images 冨安とボローニャの契約は5年。移籍金1000万ユーロ(約12億円)は、シント・トロイデン創立以来の最高額だという。ボローニャにとって、彼は2人目の日本人となる。2004年の6カ月間、中田英寿がロッソブルー(イタリア語で赤と青の意味)のユニホームを着てプレーしている。

「見ていてくれ、彼はきっと君たちをあっと驚かせるはずだ」

 冨安が合流した翌日、チームのテクニカル・コーディネーター、ヴァルテル・サバティーニは我々メディアに向かって自信たっぷりにこう言った。

 ボローニャが冨安を気に入ったのは、その性格のよさとゲームを読む力、そして何より守備において3つのポジションでプレーできる柔軟性だ。彼本来のポジションはセンターバックだが、3バックの右サイドストッパー、または4バックの右サイドバックとしても起用することができる。