コパ・アメリカの小ネタ満載。「日本参戦」批判には裏事情もあった (2ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳translation by Tonegawa Akiko

メッシとスアレス、劣悪ピッチを嘆く

 今回のコパ・アメリカのピッチコンディションは、残念ながらかなり悪い。すでに3人の監督と多くの選手が芝の状態を嘆いている。そのなかにはメッシやルイス・スアレスなどのビッグネームも含まれるから、状況はかなり深刻なのだろう。ちなみにカタール戦でゴールを外したことを、メッシはピッチのせいだと主張している。

「このピッチはボールが跳ね上がる、バウンドしすぎるんだ!」

アルゼンチンサポーター、強制送還

 バッラ・ブラバとは、アルゼンチン版フーリガンのことを指す。コパ・アメリカの開催中、ブラジルは過去に暴力事件を起こしたサポーターの入国を拒否。彼らが試合に来られないよう、空港やスタジアムに顔認証システムを導入した。そのためバッラ・ブラバの何人かは、ヒゲや髪形などを変え、変装して入国を図ったが、あっさり見破られて母国へ強制送還された。

メッシ、家族を緊急招集

 開幕から2試合連続で勝利のなかったアルゼンチンは、最後のカタール戦にすべてをかけていた。この日のスタンドには、メッシの妻と3人の子どもたちの姿もあった。「子どもたちと妻に近くにいてもらうことで、パワーをもらいたかったんだ」とメッシ。もともと彼の家族は、コパ・アメリカには来る予定ではなかった。それをメッシたっての希望で急遽駆けつけてもらったという。そのかいあってかアルゼンチンは勝利。翌日のメッシの誕生日を無事祝うことができた。

「日本招待」批判の本音

 日本とカタールがコパ・アメリカに招待参加したが、南米以外の国を招聘することは、以前から物議をかもしていた。今回は特に、ベネズエラのラファエル・ドゥダメル監督とパラグアイのエドゥアルド・ベリッツォ監督がこのことを公に問題提起したことで、クローズアップされた。

 それは単に南米大会によそ者が参加することに納得ができないという理由からだけではない。実は、今年の大会はコパ・アメリカ史上最高の報奨金が用意されている。決勝トーナメントに勝ち進んだチームには、より多くの金額が渡される。南米のチームはどこも財政状況が厳しいのは似たり寄ったり。喉から手が出るほど欲しい報奨だ。結局は危惧に終わったが、それを南米でもない、しかも、金持ちの国に持っていかれるのはどうしても納得がいかないというのが本音なのである。

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