2019.06.14

久保建英は新世界を切り拓く。
「レアル移籍内定」の裏側を読み解く

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Sano Miki

 6月14日、レアル・マドリードと近い関係にあるスペインのスポーツ紙『as』(アス)は、日本代表MF久保建英(FC東京)のレアル・マドリード移籍について、以下のように伝えている。

「東京中日スポーツ紙によれば、FC東京とマドリードの(久保の移籍に関する)交渉は、大詰めにさしかかっている。メディカルチェックも完了。あとは本人のサインのみに。この移籍はバルサに打撃を与えるだろう」

 短い文章だが、行間からは実に濃密な内容が伝わってくる。

 まず、移籍交渉の流れを、マドリードのメディアよりも、先に日本のメディアが手に入れている点だ。これは久保サイドの”強い意志”を指し示している。次に、100%の契約ではないものの、メディカルチェック済みで、ほぼ契約合意という事実。そして3つ目は、レアル・マドリードが「バルセロナで10~14歳までを過ごし、復帰の予定もあった選手を”簒奪する”」という歓喜だろう。レアル・マドリードとバルサは世界を二分するほど、憎悪をぶつけ合う間柄だ。

 日本人にとって、久保は新たな世界を切り拓く英雄的存在になりつつある。彼はそういう星の下に生まれたのだろう。だが、その進撃は思った以上で、世界サッカーをも巻き込もうとしている。
 
来週はコパ・アメリカで日本代表としてプレーする久保建英 久保に関する移籍交渉の内容に関しては、今年に入って代理人も変更されているだけに、その真実は見えない。また、見えたとしても、さまざまな人々の思惑が複雑に絡み合っており、真実などないに等しいものだろう。

 ひとつ言えるのは、久保本人が飛躍する野心を持ち、相応する実力を身につけたという点だけだ。

「レアル・マドリードは、バルサが『18歳の少年に払えない』とはねつけた年俸100万ユーロ(約1億2000万円)に近い金額を払う用意を示した」

 スペインで『as』と同じくレアル・マドリード系メディアと言われる『MARCA』(マルカ)は、そう報じている。移籍金は200万ユーロ(約2億4000万円)で、5年契約だという。おそらく、トップチームでの選手登録も条件に入るだろう。どれも、バルサ側が断った条件と言われる。