佳境のCL。4強のUEFAランキングと「マネーリーグ」順位は? (3ページ目)

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

 愛するクラブをサポートする人々が、1998年に上場したクラブ株式の7割以上を保持しており、バルセロナと同様に会員が支えている。それもあって、加速する資本主義についていけず、他国のビッグクラブに後れを取っていたが、近年では中国の広州富力と育成組織に関する巨額契約を結ぶなど、エドウィン・ファン・デル・サール会長らはブランド力の活用を促進している。また今季の大躍進により、来季以降は『マネーリーグ』に入ってくる可能性も大きい。

 それでも今季の瑞々しい最高のチームを形成した逸材たちは、遅かれ早かれビッグクラブへ巣立って行くのだろう。モダンフットボールのひとつの側面と言えるが、一抹の寂しさはどうしても残る。

 ちなみに『UEFAクラブランキング』のベスト4は、レアル、バルセロナ、バイエルン、アトレティコ・マドリー。『デロイト・フットボール・マネーリーグ』の上位4クラブは、レアル、バルセロナ、ユナイテッド、バイエルン。ビリオネアのオーナーたちが実権を握る現代のフットボールは、好むと好まざるとにかかわらず、大きなビジネスでもある。しかし、近年の成績やカネがすべてではないとロマンを語れるところもまた、このスポーツの魅力のひとつだ。

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