34歳カソルラ、37歳ホアキン...リーガ終盤、ベテランたちが熱い! (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 今シーズン、カソルラはビジャレアルの攻撃を牽引。ヨーロッパリーグではスーパーサブとして存在感を示し、準々決勝進出に貢献している。かつてシャビ・エルナンデス、アンドレス・イニエスタ、ダビド・シルバと中盤を構成し、2度のEURO優勝(2008,2012年)を遂げたボール技術は錆びついていない。

「今も痛みはあるけど、それは生活の一部。プレーできる喜びの方が大きい」

 カソルラは笑顔で言う。サッカーへの熱情が、彼を若々しく突き動かす。ひと蹴りに、魂が込められるのだ。

 サッカーとの向き合い方では、この男にも独特なものがある。

「僕は面白おかしく生きていたい。ただ、それだけだよ」

 37歳になるホアキン・サンチェス(ベティス)はそう語っている。リーガ出場はすでに510試合を超え、歴代6位。それも欧州カップ出場を争うチームの、主力のひとりとして、である。

 ホアキンの名前が世界中に打電されたのは、19歳で挑んだ2002年日韓W杯だろう。準々決勝の韓国戦で、そのプレーは際立っていた。判定に泣かされることになったものの、そのドリブルは相手を手玉に取った。

 ただしその後、ホアキンはスペイン代表に縁が薄くなる。2006年ドイツW杯後の、「代表チームは混乱している」という発言が、批判と受け取られたためだとも言われている。それだけに、韓国戦で英雄になり損ねたことを悔いていても不思議はないが、気にする様子は微塵もなかった。

「韓国人選手はよく走るだけじゃなくて、テクニックも優れていたよ。まあ、ピッチの中では、説明のつかないことはいくらでも起きるさ。たとえワールドカップのピッチでもね」

 ホアキンは寛容に言って、こう続けた。

「まずは自分がサッカーを楽しまなければ、いいプレーなんかできるわけがない。あれこれ気にしていたら、自分の中から"あれをしてみたい、これをしたい"というイマジネーションが湧いてこないよ。サッカーボールを持ったときにゾクゾクするような気分、僕はただそれを求めているんだ」

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